速読で内容が理解できないと諦めないで!毎日500文献を読んで分かったコツ

仕事や研究で、膨大な資料や文献の中から必要なものをピックアップしなければならないことってありませんか?
検索ツールが発達してきて、キーワードである程度絞れるようになったとはいえども、本当に欲しい情報が書いてあるかは読んでみないと分からないですよね。
でも、内容を確認しなければならない文献が何百件もあったら、正直心が折れます。

そんな時、速読ってできたら良いなって憧れますよね。
私も、憧れていた事があります。(今も憧れています)

実際、私も速読を身につけたくて何冊か速読の本を読んでみたこともあります。
でも、目の動かし方といった基本的なことは理解できたものの、すぐに実戦で劇的にスピードが向上するわけではありませんでした。

他にも何かスピードを上げる要素があると試行錯誤を続けて、やっとコツややり方を見つけたという経緯があります。

今回、この記事は以下の様な方に向けた内容になります。

  • 日々、たくさんの書類を分類しなければならない
  • 論文などの文献から必要なものを選ばなければならない

この記事では「素早く必要な情報を見つけ出し、判断する」のに私が見つけた方法やコツをまとめています。

残念ながら、小説をサラサラと読めるようになりたいと考えている方には向いていない記事であることは先に伝えておきます。




速読=瞬間判断力と考えれば、誰でも身につく可能性がある

速読とは「ただ早く読む」のではなく、「必要な情報を集める力」

私は、一日に大量の文献に目を通す仕事をしています。
平均して毎日500文献に目を通しています。多い日には1000件の文献に目を通す日もあります。
その処理速度は、人から見たら速読していると思われがちですが、本人にしてみると書いてあることを全部読んでいるわけではないんです。
一つの資料に対してかける時間は大体1~3分以内です。
書いてある内容が難しかったり、情報が複雑なものはさらに数分かかったりしますが、それでも10分以上かけることは滅多にありません。

私の頭の中で何をしているかと言いますと、
書面を見たときに必要な情報を瞬時に集めて、内容を判断しているだけなんです。

もう少し具体的に説明しますと、目の前にある文献は、「今私が欲しいと思っている内容が書いてあるのか?」ということ判断するための情報を集めています。
なので、文献を見た瞬間の私の頭の中では「あ、これ関連あるぞ(丁寧に読まなきゃ)」「これは関連無し(はい、次!)」って感じで分類しています。

速読の本質って「素早く情報を見つけ出すこと」

速読って、小説をパラパラするだけで読めちゃうような(一度に大量の情報を頭にインプットして理解する)イメージをもたれがちです。
私も以前は同じイメージを思っていました。
まぁ、実際にそういうことできちゃう人もいるようですが・・・。

でも、私からすると、大量の情報の中から必要なものを見つけ出し、どんな内容が書かれているのか判断するのが速読の本質なのではないか、と考えています。

実際、私はこの考え方で試行錯誤した結果、1日に500件ベースで文献の処理ができるようになっています。




速読のコツは、「シンプルな考え方」と「どこの情報を読み取るか」が重要

速読に必要なこととは?

1日に膨大な文献を読むのに、どんなコツがあるのかというと、それほど難しくはありません。
おそらく突き詰めていけば、一般的に言われていることと基本は同じだと思います。

実際に私がしていることは、以下の3点だけ。

  1. 「これは、どんな事が書いてあるの?」をとことんシンプル化する
  2. 判断するための情報がどこに記載されているのかを把握する
  3. バックグランドとなる知識を増やす

1.「これは、どんな事が書いてあるの?」をとことんシンプル化する

どんな作業かと言いますと、探しているもの(技術)を思い描きながら「一言で言えばそれは何なの?」とか、「50文字以内で説明すると何なの?」という事をしています。

例を挙げてみます。
お題が「傷がつきにくいスマホ用フィルム」としましょう。(私の仕事が、論文や特許公報をメインに読む仕事なので、テーマが専門的になります。)
そして、探したいフィルムの条件が以下の通りだとします。

  • 傷がつきにくくするための構造(積層構造など)という特徴がある
  • ●●という材料が必須成分
  • △△という材料が入っていたら対象外
  • 厚みは0.2mm以下
  • スマホ用以外でも構わない

そして、私はさらにシンプル化するために、絶対外してはならない探す条件を絞ります。
この場合、「傷がつかないフィルム」の条件です。
つまり「傷がつかないという効果をもたらすものは?」を考えます。
それが、「●●という成分が入っていることで傷がつかなくなる」ということなら、絶対外してはいけませんよね。

もうあとは一言にまとめるだけです。
探さなければならないのは「●●という材料が入っているフィルム」というわけです。

これだけでも、自分が何を探さなければならないか、かなり明確になります。
シンプル化した考えがしっかりできていれば、「丁寧に読まなければならないものか」「関係ないものか」が瞬時にわかるようになるのです。

そして、シンプル化は、落としてはいけない情報を明確化にしますし、自分がその技術を本当に理解することにも繋がる大事な作業です。
最初はこのシンプル化にする作業に慣れるまで訓練が必要になると思いますが、一度身につくとかなり処理速度が上がります。

2.判断するための情報が記載されているところがどこなのかを把握する

考えをシンプル化したら、あとはその情報が書かれているところをみていくだけです。
「●●という材料が入っているフィルム」という場合でしたら、どこをみればいいのでしょうか。

確認する場所は2~3カ所で十分

例えば、学術論文で考えてみましょう。
企業や大学で研究する人はよく目にする文献です。

普段から論文を読む人ならご存じの通り、学術論文の構成はどれも似た構成で作られています。
タイトル、要約、イントロダクション、実験手法(Material & Methods)、実験結果、まとめという流れが基本かと思います。

「●●という材料が入っているフィルム」という論文を探すなら、以下の2カ所でまず判断できるか確認します。

  • タイトル
  • 実験手法(Material & Methods)

もうちょっと情報が欲しいなと思ったら、要約を次に確認します。

タイトルや要約は短い文章で論文の内容を書いているので、何がすごいことなのか、または、新しいことは何なのかを分かりやすく書いてあります。
あとは実験手法(Material & Methods)を見てしまえば、もう必要な情報が書いてあるかが判断できます。

最初の段階でイントロダクションは見てはいけない

文献調査をするとイントロダクションを読む人もいますが、これはおすすめしません。
なぜならイントロダクションは情報が多すぎるので、判断ミスを招きやすくなるからです。
イントロダクションの構成を考えてみてください。

  • 技術背景
  • 過去の研究内容(比較するための従来技術)
  • 従来技術から見えてくる課題
  • 課題の解決方法(論文で特に伝えたいこと)

こうやってみると、イントロダクションには結構な情報が入っています。
結果として探したい物との関連性を見極めようとしても、情報が多すぎるので判断にかえって時間が掛かってしまいます。
特に、その分野に慣れない人が読むとかえって必要の無い情報に振り回され、「自分はいったい何を探していたんだっけ?」というスパイラルにハマってしまうことにもなります。

イントロダクションを読むと時間が掛かってしまう理由は以下の通りです。

  • じっくり読んでしまう(時間がかかってしまう)
  • 情報の多さに惑わされて、本当は関係ないのものを「関連有り」と勘違いしてしまう事がある

私の周りで、時間が掛かっている人はかなりの確率でイントロダクションを読んでいます。そして、余計な情報に惑わされて関係の無い文献を持ってくることもあります。
そういう人には「イントロダクションを読まないで判断した結果を持ってきて」と指示をします。結果として、ミスも減る上に、短い時間で仕上げてきます。

イントロダクションは、足りない情報を補足するときに読むくらいにとどめておきましょう。

3.バックグランドとなる知識を増やす

極端な例を言いますが、法律の勉強しかしたことない人が、自動車の設計図を見ても何が何だかわかりませんよね。

どんなにシンプル化しても、読む場所を把握しても、やっぱり知識がないと判断力は鈍ります。
そもそもどの情報が大事なことなのかは、知識がないと拾い集められません。
実際に経験すると分かるのですが、知識がないまま読んでいても文字の上を目が滑ります・・・。

つまり、知識があれば、重要なキーワードをヒントに必要な情報があるところに目がふっととまるので、その文献ではどんなことを言いたいのか、何を主張したいのかを汲み取ることができるのです。

【私の場合】私も最初は1日30件からのスタートでした

ここまでの話を読むだけで、実は私は最初から読むのが速かっただけでは?と思われるかも知れません。
でも、そんなことはないですよ。
実際、最初の頃は1日30件が限界でした。

試行錯誤していた時期が長かったですが、1年くらいかけて1日に300件くらい読めるようになりました。
500件以上を突破したのはさらに数年後でした。
ちなみに、上記3つの中で500件突破したきっかけは1(書いてあることのシンプル化)を完全にマスターしてからです。

2(情報が書いてある場所の把握)と3(知識を増やす)はちょっと練習すれば割とすぐに身に着けられるものなのですが、1(書いてあることのシンプル化)については本当に思考法(考え方の癖)なのである程度訓練が必要だと感じています。

初心者に読み方のコツを教えてあげてみたところ、2週間ほどで200件以上達成

最近、新しく入ったチームメンバーに上記のコツを伝授してみたのですが、なんと2~3週間ほどで1日に200件以上に目を通す程まで成長していました。

私がこのレベルに到達するまでに半年以上掛かったので、驚きました。
ご本人の努力もありますが、やはりある程度効果があるコツだったんだなと確信しました。

余談:瞬間判断力はTOEICでも必要だったりする

以前、TOEICを勉強している人(当時スコア850以上)と話していて、「問題を解いているときどんな感じなの?」「どんな風に考えているの?」という話題になったことがありました。
その時、その人からは「ある時期から、問題を見た瞬間に読み取るべき情報が見えるようになった。それができるようになったら、スコアがぐっと上がった。」と言っていました。

つまり、TOEICって「英語の文章をぱっと処理する力」が必要なんです。
当時はいまいち実感がわかなかったのですが、今だから分かる「なるほど~」って思う話です。
確かにTOEICの問題の情報量って、丁寧に読んでいたら試験時間内では終わらない量ですもんね。

さいごに

いかがでしたか?

今回の記事で紹介したコツですが、特に1のシンプルに考える力は文献調査だけでなく、いろいろな面で効果を発揮します。
シンプルに考えるということは、頭の中が整理されているということですので、例えばプレゼン資料を作るときも何を説明しなければいけないのか?ということが明確になります。

ここで紹介したものは、身に着けて損がないスキルだと思いますので、日々「この技術のすごいところはどこなのか?」「何故すごいのか?」と考える癖をつけていくようにしてみましょう。

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