先日、特許翻訳の資格をテーマに取り上げました。
その後、特許翻訳のことを調べていてふと気になったのが、特許翻訳者の勉強でした。具体的に、講座やセミナーを受ける場合、どういうものがあるのだろう?と気になりました。
ということで、今回は特許翻訳者を目指す方の講座を展開している企業に注目していきます。
人によっては、仕事をしながら勉強することになる、等の制約があると思います。そういった目線でも情報を提供できたらと思っています。
(私は勤務地の都合で地方に住んでいるし、小さい子供の育児があるので自宅でできるオンライン講座は必須です。)
今回紹介する情報は、各企業のサイトから収集した情報を元にしています。
少しでも特許翻訳者向けのセミナーや講座に興味を持っている方の参考になれば良いなと思います。
特許翻訳者向けの講座を提供しているのは4社
今回調べてみたところ、特許翻訳者向けの講座を展開している企業は4社ありました(2022年9月時点)。
※注意して欲しいのが、提供している講座に「特許翻訳」があることが前提です。特許以外の翻訳の講座を提供している企業まで広げれば、選択肢はもっとあります。
ということで、以下の着眼点で比較をしていきます。
・受講料
・受講期間
・セミナーの受講スタイル(通学、オンライン等)
・その他の特徴(セミナーの種類など)
※紹介する5社は50音順となっています。
アイ・エス・エス・インスティテュート
※「特翻訳初級クラス(レギュラーコース)」の情報を参考にしています
受講料:
167,530円(税込、教材費込)
受講期間:
約3~4ヶ月
受講スタイル:
翻訳コースは双方向型オンラインで行われる(講義は録画されており、一定期間視聴することが可能)
その他の特徴:
翻訳コースにはレギュラーコース、短期コースがあります。短期の場合、受講期間が数日~1ヶ月程度となっています。伸ばしたいところを集中的に勉強したいときにお勧めですし、いきなり3~4ヶ月の講座を受けることにプレッシャーを感じてしまう等の人には、短期コースは良いかも知れません。
また、翻訳コースでの対象言語は英語、中国語がありました。
「授業の進め方」によると、事前に翻訳課題が配布されるので、訳文を授業二日前までに提出するという流れになっています。(授業当日までに講師による添削が行われます)
ご参考までに、サイトで紹介されている「特許翻訳初級クラス」の開講期間は2022年10月20日(木)~2023年2月9日(木)18:30~20:30となります。
サン・フレアアカデミー
受講料:
66,000円(税込)
受講期間:
隔週全6回(約3ヶ月)
受講スタイル:
オンライン(テキストと課題が送付される)
その他の特徴:
定員が10名(先着順受付)とあり、最少催行人数の6名に満たない場合開催を中止する場合があるのでご留意ください。
過去の講座を確認すると、講座が分野が複数ありました(機械工学、電気・電子工学、化学、バイオテクノロジー、等)。ただ、講座の開講は不定期のようで、希望する分野と開講時期のタイミングが合わない可能性があります。
ご参考までに、現在サイトで紹介されている開講予定のものは「特許和英翻訳講座 機械工学編」で受講期間は2022年11月18日(金)~2023年2月3日(金)となっています。
バベルの通信講座
受講料:
80,000円(税別)
※初回のみ入学金9,000円(税別)別途必要
受講期間:
12ヶ月(16回)
受講スタイル:
オンライン
その他の特徴:
特許関連の講座だと、特許翻訳(英日)、特許翻訳(日英)があります。
講義を聴き、各回で課題を提出するスタイルになります。提出した課題は後日チェック済み答案と評価シートを返却されます。
また、第1回講義を無料で聴講が可能となっています。
特許翻訳以外の講座も充実しており、「文芸・映像翻訳」「金融・IR翻訳」「技術・医薬翻訳」「法律翻訳」「アメリカ法」「フランス語・ドイツ語」などがあります。
個人的に、他の企業にない特徴的な講座だと思ったものが「サマライズ(要約英日文法)」です。(要約の経験が皆無な私にとって、要約文を作成するためのルールが存在することが印象的でした。)
レバレッジ特許翻訳講座
受講料:
不明
受講期間:
1年~
受講スタイル:
通信講座のみ
その他の特徴:
受講料については、サイト上には公開されておらず、ハッキリした情報をみつけることができませんでした(数十万~という情報も見かけましたが、どういう講座を受けたからという根拠もなかったです)。料金を知りたい場合、資料取り寄せや問い合わせの必要が出てきます。
「動画プレゼント」というものを行っており、一部の動画を無料で視聴することができます。他社との比較や、講座の雰囲気がどんな風なのかを知りたい人には是非利用したいサービスです。あとは、講師の合う・合わないというのも動画を見ることで見極めらるメリットもあります。
さらに、早割制度(受講料割引)という制度があります。動画プレゼントを利用した場合1ヶ月以内に受講申し込みをすると3万円引きされるというものです。
【補足】特許翻訳の勉強に参考になりそうなサイト
上記で紹介したようなスタイルの講座ではないのですが、以下のサイトで特許翻訳の勉強で活用できそうなサイトを見つけましたので紹介します。
特許翻訳塾
こちらのサイトでは、月2回のペースで特許翻訳の例文を更新しています。(特許翻訳講座というところから確認できます)
文章量もそこまで多くなく、普段の勉強に負担無く取り入れられそうだなという印象を受けました。
引用される文章も拒絶理由通知、公報クレーム、意見書等があり、実戦的な特許翻訳の例文をみることができます。
さいごに
専門性が高い職種を目指すセミナーなので、受講期間だったり、受講料の負担は大きいのかな?と気になっていたのですが、上手に選べば自分に合った講座が選択が出来そうですね。
講座によっては、レベルチェックがあったり、受講目安としての英語レベルが提示されていたりしました。そういったものを活用していきながら自分のレベルをチェックしていくと、メリハリもあっていいなと思いました。
あと、気になっていたオンラインでの講座はどの企業もありましたね。
そうなれば、受講料や期間などの条件だったり、無料のお試し視聴を利用して講座の雰囲気を確認しながら、自分に合いそうなところを選ぶということになるので、納得いくまで比較していくだけです。
これから、特許翻訳を勉強していきたいという思いに、少しでもお役に立てることが出来たら幸いです。
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